私と氷の出会い(1590字)

 今から2年前のことです。
 社会全体が変化を余儀なくされていた頃だったと記憶しています。
 当時の私には小さな悩みがありました。在宅での仕事が増えたせいで、過度に間食をとるようになったのです。べつにお腹が空いているわけでもないのに、気がつくと冷蔵庫ばかり見て、そのうちスナック菓子を常備するようになりました。始めはストレスが溜まっていたのだと考えました。すぐにヤケ食いに飽きて、自堕落な食生活を後悔することになる。そう思っていました。
 ところがそんなことはなく、むしろ日を追うごとに悪化していきました。食べ終わった後はいつも自己嫌悪に沈みます。それなのに、どうしてもやめられませんでした。このままでは本当によくないと、間食を減らす方法を模索し始めました。

 最初に思いついたのは、飴やガムの類のものです。
 口がさびしくて食べてしまうなら、さびしくない状態を保とう。そう考えたわけです。結果からいうと、この方法は効果てきめんでした。徐々にではありますが、間食の量を大幅に減らすことができました。

 ですが、今度は飴に依存するようになってしまったのです。当初は糖分がよくないだろうと、ガムも試していたのですが、値段を考慮して飴ばかりになりました。それに味のなくなったガムを嚙み続けるのが、すこし苦手でした。そういうわけで、健康的に飴から離れる手段が必要になりました。

 そうして私は氷にいきつきました。
 大きめの氷ができる製氷皿を3つ用意して、飴の代わりに氷をなめました。きっかけとしては飴の代替品に過ぎなかったのですが、すぐに私は氷を味わうこと自体に夢中になりました。食生活の乱れに悩んでいたことなんて忘れ去って、ただひたすらに氷を楽しみました。氷の生産が追い付かなくなって追加の製氷皿を買うまで、3日もしなかったと思います。とにかく隙を見つけては、氷を口に入れるようになりました。
 (愛用している製氷皿は↓から。いろいろ試しましたがこれが断トツです!)
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 変化は半年後くらいに訪れました。
 相変わらず私は氷に夢中でしたが、物足りなくなったのです。氷に適応した私の口内は常に熱を帯びるようになっていました。そのせいで、氷をゆっくり楽しめなくなりました。あらかじめ冷たい水を飲むことで多少はよくなるのですが、それもだんだんと効力が弱まっていきました。
 自分の好きな時間があっという間に終わってしまう――。それが思いのほかショックでした。私は口の中でゆっくりと溶けていく氷が好きなのです。そのために最初のいくつかの氷が、お膳立てのためだけに犠牲になっているような感覚がしました。
 氷を好きで居続けるために、次のステップに進まなければ。そう思い、私はあれこれ調べました。

 そうして、私は第15回かき氷大食い大会のことを知りました。エントリー締切まで1時間と表示された画面に運命のようなものを感じたことは、今でも鮮明に覚えています。
 その後のことは皆さんもご存じの通りです。

 今まで私は、誰にもこの話をしたことがありませんでした。
 これには2つ理由があります。
 第一に、私自身がこの習慣を訓練とみなしていないから。
 第二に、優勝したいという気持ちが強かったから。
 ですが、次第に考え方も変わってきました。第17回大会を終えた今、こうして筆を執ることに決めました。

 私は、より多くの人に氷を楽しんでもらいたい、この大会に興味を持ってもらいたい、と願っています。もし記事を読んでくれた方が氷に関心を持ってくれたら、そして氷を一粒試してくれたら、筆者としてこの上ない喜びです。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
 来年の大会でお会いするのを楽しみにしています。

 

 

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